2017くにたちの新酒を呑む

水田のつづく道
水田の続く道をいく

天のサポートのおかげで久々の晴れ間となった9月10日、いよいよ「くにたちの新酒を呑もう」を迎えました。
くにたちの新酒って?と思われるあなた、ぜひ覚えてくださいね。「谷保の粋」です。「やぼのいき」と読みます。

やぼにはやぼの粋があると謳われ、谷保天満宮菅公御神忌千百十五年式年大祭の年に合わせて仕込んだ純米酒。材料は谷保天満宮で五穀豊穣と家内安全を祈願してお祓いしていただいた種もみを育てた天神米です。

しかも100%天神米の純米酒。もう今年で最後かもしれない純米酒です。

谷保天満宮本殿
牛座
関敏作 牛座は大山の尾根を背負う。
谷保天満宮例大祭ポスター
2017秋の例大祭は五年に一度の大祭

さて、小旅行にでますか。 やぼの粋をさがしに。

おっと、その前に「なんでやほでなく、やぼ?」

一つは、江戸時代、凶作の年の神無月(10月)に江戸の目白で谷保天満宮のご開帳をしたことがあるそうです。その時に狂歌師の太田南畝が詠んだ狂歌が「神ならば 出雲の国へ行くべきに 目白で開帳 やぼのてんじん」 ここから谷保天満宮はやぼてんまんぐうと読まれ、谷保村もやぼむらとなったという説。

もう一つは、江戸を朝出発し、谷保村につくのは夕暮れ時だったことから地元では野暮な位置にある村と言われたそうです。他にもいろんな説がありそうです。

常盤の清水の湧水は枯れることがない。カニと遊ぶ。
かっぱがいるかもしれないので、天神橋を渡るときはおしゃべり禁止
天神橋をワイワイと渡る。

上の3枚の画像は、谷保天満宮周辺の清水。常盤の清水といわれる場所には弁天池があります。青柳崖線と立川崖線にはさまれているせいか、湧き水が枯れたことのない池です。その脇を流れる湧水路にはサワカニやフナの稚魚がうじょうじょ。

天満宮近くの天神橋付近には昔から河童が住んでると言われています。静かに通らないと河童のいじめに合うと言われたことがあります。でも、大人たちにはあまり有効でない言葉のようでした(笑)

天神橋を渡って、東京の水田がここにも、あそこにも!?と感激しているうちに辿り着いたのが「北島体験農園」
いよいよ、収穫体験です。

北島農園直売所

 

北島体験農園は市内唯一のプロが指導してくれる体験農園。市民農園とは違います。子どもたちが収穫した野菜をぼりぼり食べる笑顔が好きという市内最古の農家さんが運営しています。
穏やかな風貌の北島さんの秘めたる思いは、安心安全で美味い野菜や米を食べられる環境を次世代に残したいと強く大きいのです。

体験農園では、手作りの有機肥料やボカシで土を育て、苗も作る中で丁寧な農作指導をしてくれます。水田もあるんですよ。忙しいサラリーマンでも安心。なにげにフォローもしてくださいます。助かります!! そして、なんといっても採れたて野菜やつきたて天神米はおいしい!? 別格です。

さてさて、収穫したり播種したり団らんしたあとは、農園を出発して下谷保から中平と炎天下のやぼ道を次の目的地まで歩きました。途中で「生ビールにいきたいな」という声がちらほら。残念ながら日曜日に生ビールをいただけるところは見当たらず、目的地まで我慢がまん(・_・;)

[くにたちの農地の豆知識]
くにたちの南部、特に多摩川沿いは鎌倉時代には谷保郷とよばれ、水田に適した土地条件だったことから稲作がすでに盛んな地域でした。江戸時代には甲州街道沿いに民家が立ち並び、住民のほとんどが農業や養蚕を主な生業としていました。

現在の国立の総面積は8.15㎢.農業面積はその7.3%にあたる59.7haとなってしまいましたが、そのうちの1.8%が水田という近隣市の中では珍しい地域です。国立でお米を作っていることさえ知らない住民も少なくないというのに(笑)。 現在は農家戸数109戸のうち、販売農家は54戸。野菜産出中心の中、稲作と野菜を兼業する農家さんの米はキヌヒカリを中心にお弁当にも最適と好評です。温かいご飯はもちろんのこと、冷めたお弁当でもモチモチのご飯をいただけるからです。

くにたち野菜工房中道カフェに到着。我慢のし甲斐があるとはこのこと。実はここの生ビールも別格なのです。小まめにお手入れされるサーバーから注がれるビールですもの。なんの臭みもなくホント、すっきりしたノド越し。下戸な人でもいただける生ビールです。そこで、「谷保の粋」を味わう前に生ビールで乾杯してしまいました。 ちょっとペナルティですね(笑)

では、いよいよ「谷保の粋」登場。 案内くださるは高柳商店の三代目、高柳貢作氏。ご本人は純米吟醸が一番好きと言われる酒屋さんですが、さすがにお酒の知識はピカイチです。そして、実は高柳さんが100%天神米純米酒「谷保の粋」生みの親なんです。くにたちの米農家と造り酒屋をつなげ、デザインまでを一手に引き受けた方です。「谷保の粋(やぼのいき)」というネーミングが素晴らしいと参加者の皆さんからも大絶賛。地元で絶大なる信頼を得ている、「超地域密着から未来を創造する」酒屋さんです。

100%食米を使ったお酒というと、甘くていかがでしょうか?とよく聞かれるのですが、下戸のわたしでもわかる美味さ。米の甘みはもちろん感じられますが、それにも勝るパンチがあるので、すっきりしたノド越し。しかも、東京の限られた農地で作られた米100%のお酒です。奇跡の酒ともいわれますし、今年が最後の純粋100%天神米かもしれません。東京の贈答品として、お世話になった方々にお贈りしようとわたしは思います。

「谷保の粋」生みの親、高柳さん
待ちに待った新酒「谷保の粋」
テイスティング用カップで嗜む

「谷保の粋」にベストマッチのお料理の数々を用意してくれたのが、やはり地域密着型カフェの中道さん。東京特産食材使用店としてくにたち野菜を毎日仕入れて、ささっと調理してしまう手際のよさにいつも感動です。地元では希少な東京特産食材使用カフェです。
住所:国立市富士見台4-12-11
電話:042-848-4991

ナスとししとうの煮びたし、ポテチ、青唐辛子味噌、オクラのあえもの
お魚カルパッチョと柔らかいアスパラ
旬のイモコロッケ

最後に、「谷保の粋」に最も貢献された農家さんの鈴木政久氏。米農家16代目で、市内全域で7haと極めて少ない耕作水田の中で最大の米農家。東京には水田は要らないと減反を求める国に対して、美味い米や安心安全な農作物を提供し、かつ若手農家を育てると意欲を燃やす農家さんです。

鈴木家家紋
16代目米農家の鈴木さん

以上です。
地図旅に参加された皆さんには大好評の小櫻ようこ写真いりフォトブックをお送りしています。皆さんの表情豊かなフォトブックが記念の人品となりますように。

また、フォトブックを片手にくにたちへいらしてくださいね~~

写真:小櫻ようこ
文責:服部いづみ