国立まと火2015報告その1

2014年から北秋田との児童交流事業が復活し、その象徴として先祖を供養する秋田県合川町の伝統行事が開催されることになったようです。北秋田の中学生16名は観光バスに10時間揺られて国立にきてくれたそうです。それにしても10時間は長い(笑)。

まと火2015ポスター
まと火2015ポスター

さて、フリーライターの伊藤万里さんから報告が届きました。

「国立まと火」

北秋田市の中学生と国立市の中学生が地域間交流

昨年の8月に第一回目が開催された「国立まと火」は、今年の7月19日(日)に第二回目が開催された。昨年に引き続いて、30~40年前から国立市と交流のある、北秋田市(旧・合川町)の「合川中学校」の生徒たち総勢16名が応援に駆けつけてくれた。「国立まと火」当日の彼らの活動に同行して、その思いを聞かせてもらった。

市役所での「ウェルカムパーティー」はご馳走尽くしだった!

高速バスで約10時間かけて、前日の夕方、国立市に到着した「合川中学校」の生徒たち16名は、「国立市役所」B1Fのホールで開催された「ウェルカムパーティー」で歓待を受けたという。

その時の様子を中学3年生の女子生徒数名が興奮気味に話してくれた。「会場には特大ピザや揚げ物、ちらし寿司など、色々とご馳走が並んでいたのですが、特に凄かったのはフルーツがたっぷりと乗った、こーんなに大きな(と両手を目一杯広げて)フルーツケーキでした!」「ケーキは、あの『おおかみこどもの雨と雪』に出て来たお店のものでしたよ!」と説明してくれて、老舗の洋菓子店「白十字」のものだと分かる。実際に、今年初めてこのイベントに参加した生徒たちの中には、この人気アニメを見て「国立」についてのイメージを膨らませて来た生徒さんも少なくないという。

白十字の入口にはってあるおおかみこどものポスター

「城山さとのいえ」と「くにたち郷土文化館」へ

イベント当日は、午前9時に「城山さとのいえ」に集合して、“国立の農業”についてのレクチャーを受けることから始まった。質問コーナーでは、生徒たちから「国立野菜の名産は何ですか?」「国立には、どれくらい農家さんがいらっしゃいますか?」などの鋭い質問が出され、引率した先生方を始め、周りの大人たちをうならせていた。

その後、「くにたち郷土文化会館」へ移って、国立市に関しての簡単な講義を受けた。国立市の面積が約8平方メートルしかなく、「1時間もあれば、市内を自転車で回り切れます」という説明に生徒たちは驚きを隠せない様子だった。また市内の「北と南の景観の違い」や「ハケと湧水」などの特殊な地形や、国立の伝統行事などについても一通り説明があった。最後に、国立ゆかりの彫刻家「今城國忠の世界」(2015.7.4-~7.26まで)を見てから、次の会場である「一橋大学」へと向かった。

「一橋大学」と「くにたち桜守」の活動

大学通り沿いにある「一橋大学」南門の前では、「くにたち桜守」代表の大谷和彦さんが、生徒たちの到着を心待ちにしていた。大谷さんは、来春に美しい桜の花を咲かせる為には、今の季節から桜の樹の根元に肥料を与えたり、雑草を抜いたりなどの手間が欠かせないこと、地元の小学生たちに描かせたポスターのお蔭で、この数年間でゴミの量が激減したことなどを、力強く説明していた。
その後、「一橋大学」の校内に入って、大学のシンボルの一つでもある「兼松講堂」の前で、参加者全員で記念写真を撮影した。生徒たちは大学内に古くからある、荘厳で美しい建造物を感心した様子で眺めていた。そんな彼らに、大谷さんは「国立には温かい人が多いから、皆さんもがんばって一橋大学に合格して、是非、この街に引っ越していらっしゃい」と優しく言葉を掛けていた。

生徒たちから見た国立市は?

国立の街並みを見て、生徒たちはどの様な感想を持ったのか、その率直な意見を聞かせてもらった。女子生徒の一人は「家を出るとすぐ目の前に森があって、自然がいっぱいという所で暮らしています。町には人が少なくて、とても住みやすいと思っています。今回、初めて国立に来て、その人の多さに驚きました。そしてやはり東京はとても暑いです」と話してくれた。

今回、参加した男子生徒は全員、現役の野球部だという。そこでエースを務める中3の男子生徒は、「自分は地元が好きなので、そのまま秋田で就職したいです。東京には楽しめる所もいっぱいありますが、やはり偶に遊びに来る所だと思っています」と素直に話してくれた。また別の野球部の生徒は「北秋田市は狭い町なので、誰もが顔見知りです。そこで町中で誰かと会ったら、必ず、あいさつします。秋田は空気と食べ物が美味しくて、特に『秋田こまち』は日本一、美味しいお米だと思っています」と故郷への思いを熱く語ってくれた。

2015年「国立まと火」に参加して

今回、「国立まと火」に参加してくれた生徒たちはほとんどが初参加で、昨年の参加者たちから、「イベントをきっかけに、国立市の中学生たちと交流できて、すごく楽しかった」と聞かされた上での参加が多かった。そんな彼らに、午前中、最後の会場となった洋菓子店「白十字」で小休止を取りつつ、今年の「まと火」への意気込みを語ってもらった。

まずは「ダンボ(火種)に火を付けるのは男子の役目なので、しっかりとがんばってほしい」という女子生徒の意見があった。一方、イベントで中心的役割を担う男子生徒たちからは「昨年の『まと火』よりも、さらに成功させたい」「昨年より多くの人たちに集まってほしい」「たくさんの人たちに感動を与えたい」など、前向きな言葉が多く聞かれた。

2011年の「東日本大震災」をきっかけとして、地域間での交流が再び、注目され始めている。この「国立まと火」がきっかけとなって、自分たちの住む地域への愛を語れる若者が増えて行くといい。

文 伊藤万里

実は、北秋田市と国立市は「災害が発生した場合、お互いに応援および協力する」協定を締結しているんですよ。